2019/11/16 00:08

「蓼(たで)食う虫も好き好き」といいますが、その言葉が生まれた理由を知る人は少ないはず。
実は、意外なほど「刺激的」な植物なのです。そのたでが育つ「ふるさと」をご紹介いたします。


きりりとした辛味の「たで」
「蓼(たで)食う虫も好き好き」
この言葉が生まれた理由、ご存知でしょうか。そもそも「蓼」なるものが一体何なのか、ご存じの方は少ないのかもしれません。

まず、答えからいうと「蓼(たで)」は植物です。
温帯を中心に世界中に分布しており、陸上はもちろん水中でも育つことが可能。おかげで「たで」は非常にポピュラーな植物であるといえます。
その「たで」のなかでも、たで酢にもちいられるのは「ヤナギタデ」という種類。「ホンタデ(本蓼)」あるいは「真蓼(マタデ)」と呼ばれています。

この「ヤナギタデ」、葉や実には「タデオナール」という辛味成分が含まれており、噛むときりりとした辛味が舌にこたえます。西洋ではヤナギタデの実を胡椒の代わりにもちいるほどですから、かなりの辛味だといえます。
この辛味にもかかわらず、好んで食べる昆虫がいることから「蓼食う虫も好きずき」という言葉がいわれたと言われています。


大徳の畑で大切に栽培
大徳の「たで酢」に用いる「ヤナギタデ」はすべて大徳の自社農園で栽培しています。若葉の季節になると、柔らかなエメラルドグリーンに輝く若葉を青々と茂らせます。刈り取りの季節は夏。暑い日差しの中、社長自ら刈り取りを行います。
この刈り取りが、本当に大変なのです。

「たで」は強い辛味成分と抗菌作用を持つ植物。肌が露出するような軽装で刈り取りを行おうものなら、全身は真っ赤に灼け、呼吸にも変調をきたすほど。このためかり取りの際には長袖長ズボン、ゴーグル、マスク、タオルと帽子が必須アイテム。暑さや発汗と戦いながら手作業で刈り取りを行うのです。大切に、大切に。皆さまのお口に入るものだから、大切に刈り取りを行っています。